最果てでもお約束。
音も立てず袈裟に落ちてくる白刃。
驚く事にアキラはそれをステップイン・・・一歩踏み込む事によって空を斬らした。
「アキラ!」
右腕の袖に隠していた二連装の短銃をワンアクションで引き出し、照準を定める。今二人は限りなく重なっている。弾丸はアニメのように日本刀の男だけを貫かず、恐らく冷たい現実は外れるかアキラに当たるかの二択だ。
しかしこの行為に意味はある。あの日本刀の男が一歩でも退けば。
「シィッ!」
ステップインした反動を十分に生かしたアキラの左ハイキックが、刀を振り下ろした両腕を超えて右のこめかみを狙う。
男は咄嗟に右腕を上げてガード。そのままアキラの左足を叩き落して刀を逆袈裟に振り上げながら一歩飛ぶように後退。
そこは十分に予測していたぼくの短銃の斜線上。
「当たれ・・」
ぱぱーん。
銃弾は乾いた音を立て、落ちる青葉を貫きながら目的地まで稲妻のように・・・

「なんて非現実は無いから、安心しろ」
< 33 / 140 >

この作品をシェア

pagetop