最果てでもお約束。
琴は20歳。二つ上のぼくの彼女。
ネット上の掲示板で意気投合し、出会って2回目で告白された。
外見はちょっとぽっちゃりした感じの事務員で正解。
本人曰く
「落ち着いて見えるでしょう?」
との事。料理上手で漫画好き、音楽は見た目とは裏腹に大変ヘビーなものでしたが。
ぼくにとっては13人目の彼女。多いとは決して思わない。ただ、周りに暇な人が多かったんだろうと今でも思う。
13人目の彼女で・・・・1人目の彼女の面影を強く持った彼女。
実際初めて会った印象も、交際を決めた時の決め手も、その面影を感じたからだ。
最低だろう?最低だと、ゆうは言った。ぼくは言い返さなかった。自覚があったのだから。
”ありがとう、ごめんなさい”
10年近く付き合って、別れた。嫌いになった訳じゃない。むしろ、この人とならこんなぼくでも幸せになれるんじゃないかと、本気で思った。
しかしそれは、琴を幸せにする事とは違った。自分だけの幸せだった。
だからぼくは。

< 40 / 140 >

この作品をシェア

pagetop