最果てでもお約束。
キタ。キテシマッタ。
「あのー・・・14だったりしたらさ、義務教育期間だったりなんかして」
「逃げました。盗んだバイクで」
その年齢にしちゃあ良く知ってる。
「えぇ・・逃げたって」
「教育や施設からびゅーんと!」
「あほー!!」
ぱっかーんと、ハリセンでもあれば最高だったのだけれどここは片田舎の昔メインストリート今は猫と老人しかいないストリート。
もちろん、逃げずに勉強しなさいなんて意味のツッコミでは無く
「だ・・・脱走したりなんかしたら指名手配受けるんじゃあ・・」
「名古屋あたりはやばかったですねー」
やっぱりだこいつ。指名手配は言いすぎだけども、間違いなく家出人捜索願だされてやがる。
「公共プールとか銭湯に入れないー」
それ違う。
「警察にまで気をつけないといけないなんて・・・」
と、言ってみたものの、実はそんなに大変な事では無かったり。
一応この町にはでっかい警察署も有り、派出所もいっぱいあったりするのだけれども、ほら、この土地柄ですから。あんまり巡回とかしないんですねー。
もし見ちゃうと見てみぬフリも出来ないそうで。昔えらいことになった事があるとか無いとか。
「まぁ・・・なんとかなるか」
「なんくるなーさー」
「なにそれ」
「沖縄だったっけな?」
「どこヒッチハイクしてんだよ・・・」
なだらかな下り坂を振り返りもせずに下りて行く。東の宮を一歩でも西に出れば『うたた寝町』
次の目的地はそこにあるドブ川。なんと川の色が紫色なのでした!
ダメだろー工業排泄物はー。
「その向こうは?」
「あー・・・『宵の口』ね。行かない。危ないから」
この土地柄にもわかってきているのか、ぼくが危ないと行った時はアキラもちょっと考えたフリをして
「なんくる」
と言って聞かないのでした。わかってねー!
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