最果てでもお約束。
「いらっしゃいませー!」
まだできたばかりの真新しい店舗の中に足を踏み入れる。
いや、実は踏み入れるかどうしようか迷っていたら自動ドアがウィーンと開いただけなんだけれど。
「いらっしゃいました・・・」
おずおずと5m程先で今か今かと笑顔で待っている女の子に近づいて行く。
「こう・・・オレはチキンバーガーセット。ドリンクはオレンジで」
「おい・・・」
ゆうもぼくも高校2年生になったばかりの春だった。まだ女性に興味の無かった去年とは違って、ぼくもゆうも多少は異性とやらに興味が沸いてきた頃。
特にゆうは元々の人見知りもあり、ダブルパンチですでにノックアウト寸前。
ぼくはそんなゆうの代わりに通訳としてがんばってきたのだけれど・・・ヤバイ。かわいい。
手にじんわりと汗が滲んで、元から乾いていた喉が張り付いて声がかすれる。
「え・・・えーと・・・ら、らいすばーがーってなんですか?」
カオスな感じに脳が回っており、ろくでもない事を聞いたり話したりするのは昔からでした。

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