最果てでもお約束。
「アキラ、ぼくに何か起こったら走れ。走って神社に入ってそのまま突き抜けて森に入れ。そしたら眠くなるまで動かず隠れておくんだ」
「こう?」
「眠くなったら歩いて北に抜けるように。絶対町に戻って来ないようにな。山一つ越えたら、普通の町だから」
ちゃんと言っておかないと。きっと今ぼくは未来が見えている。いや、これはあの時の焼き増し。でも、わかる。
「こう・・・・足・・震えてねぇ・・?それに何だよ、急に・・・」
「あ?いや、疲れてんだよ」
震えもしますとも。きっとこれからの数十分は地獄だ。けれど、それを避けると一生地獄。すまん、ゆう。似てねぇけど、似て欲しいとも思わないけれど、こいつを見てるとお前を思い出す。それだけだ。でもな、またお前の事思い出せたからさ。
だから命くらい、やってもいいかなって。
光が眼に染み込んできた。
さぁ、やり直そう。
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