最果てでもお約束。
「さ、帰ろうか」
硬くなった体をほぐす為に少しストレッチをして立ち上がる。
「はいよー、ほんでこの人達は?」
ん、とアキラが顎で指した先には今まで追ってきていて今は地面に寝転がって気絶してる人達。
「あぁ・・・放っておけば誰か助けに来るから。そんでその人達はまたぼくらを追ってくるから」
まだ危機を一瞬だけ回避したに過ぎない事を思い出してげんなりする。
「じゃあ一応拾いやすいように集めておくくらいするかなー」
よっと立ち上がって一番近くで寝転んでいる奴の近くに寄る。
あー、気持ちはなんとなくわかるけれどね。
「駄目。動かすと死んじゃうかも」
これで死なれても面倒だし可哀想だし(面倒が先)
「にゃんでー?」
にゃんでとか言うなってば。
「首やってたら余計な振動与えない方がいいから。脳をやられてるかもしれないし」
以前の事もある。
以前、彼にやられた連中はどうやら本気で殴られていたらしい事が少ししてわかった。
その本気というのはつまりそのまま本気。手加減無し。
だが、人間とは相当に殺そうと思っている人間以外を殺してしまう程の力で打ったりは出来ない・・・または非常に出来にくいらしい。心がどうだかあいつは言ってたけれど。
つまり、彼にはもう人間に打撃を与える事は生きるも死ぬも関係無し。
どうでもいいやって打ってる。いや、物を打ってる感覚に近いかもしれない。
そんな人間がマジモンの刀の峰で人間を打つ。
もうあの3人の内だれか息を引き取っていてもまったくおかしくない。
「まぁほら、早く帰ろう」
「ん・・・・」
なんだか不満そうな顔をしてついてくる。あれだ、成長期で童顔だと女の子に見えるな。
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