最果てでもお約束。
携帯を見ると、背面についた液晶に
”新着メール1件”
の文字。
メールを開いて見るとそこには
”再度南からの入国者3名。先程の人物を追っているとの事。写真を送る。尚、この件には決して関わらない事。対象人物4名については報告も接触も不要”
との事。はて?なんなのだろうか。
写真が添付されていたので、それを開いて見る。
そこにはいかにもエージェントスミスですよと言わんばかりの黒スーツに黒サングラスの男3人。いかにも強そうでまた膝から少し力が抜けた。
「こう・・・膝がくがくしてるんですけど・・・」
メールを見ておびえているのが丸見えなぼく。情けないですね・・。
「な・・・なんでもないですよ?」
言動まで不審になってしまう。えぇ、肝っ玉は小さい方です。
アキラはちょっとだけ横を向いて、でも確かに聞こえるように
「・・・・かっこわる」
とだけ呟いた。
野郎っ!誰のせいでこんな気持ちになってると思いやがりますか!?下手するとエージェントスミスに追われるんですよ?
「あ、そろそろ晩飯の時間ですね旦那ぁ」
ひへへと両手をする下郎。
「・・・・・抜き」
「えぇ!?」
そりゃ無いよ旦那ぁとか無いっすよ社長~等とまぁその歳でよくそれだけのネタを抱え込めたなと感心してしまうようなトークを聞きながら、ぼくはとりあえずメールは見ていない事に心に決めた。
「あ」
「考え直してもらえやしたか旦那っ!」
もうお前誰だよ。
ちなみに、晩飯の事では無い。
おそらく彼が立ち去り際に言った”教えてほしい”ってのはこいつらの事かと、やっと合点がいったからだ。
「携帯持ってないじゃん・・・」
ただ、連絡方法は狼煙を上げる事くらいしか思いつかなかった。
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