最果てでもお約束。
「まぁ・・・ぼくは朝入る派だ」
しかもお前がいる間は朝早く・・・アキラが起きない内にな。
「布団だっ!布団だぁー!!!」
がばーっと布団を敷いた途端に寝転がる。行儀がわりぃ。
「なんだ?もう寝るのか?」
ぼくとしてはコーヒーでも飲みながらパソコンでもいじろうかと思っていたのだけれど。
「んー・・・本当はまだ寝ない。この時間は普段は残飯の出る時間だからね。それ漁ってる」
・・・・旅の人とは聞こえの良い呼び名のようで。
どうやら実態はかなりアレらしい。
「そ・・・そうか。今日は疲れただろうからな」
なんせ今日はかなりどたばたした。歩いて走って狭い所を掻い潜って。
命も若干かかっていたし、それに今日はいっぱい話をした。
こんなに人と話をするのは・・・。
”死が2人を別つぞ”
びくん。怖い。何がと言われると困るのだけれど。何か今怖かった。
「こうー電気を豆球にしてー」
「あ・・・あぁ」
かちかちっと天井灯の紐を2回引いて電気を豆球に変える。途端に世界は薄いセピア色に包まれた。
ぼくはきっと疲れていたのだろう。実際、ちょっと体の奥に眠気を感じていたような気がする。それとも、さっきの怖気だろうか。
だからだ、きっと。ぼくが口をすべらしたのは。
「腹出して寝るなよ、ゆう」
「う?」
やっちゃった。
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