現場系男子にご用心!?
「どうせ飲むでしょ?」

「良くお分かりで」

そう言うと、岡田さんは少し笑って胸ポケットから煙草を取り出した。

「吸っても差し支えない?」

「別に。私も吸うんで、たまにですけど」

「へえ、意外。じゃ、遠慮なく」

手慣れた手つきで煙草に火を付けると、すうっと吸って白い息を吐いた。


しかし、何をやっても絵になる男だ。

いつもはちらっとしか見る事のない顔が、私の目の前にある。
よく見ると、肌は毛穴が見えないくらいのすべすべ肌だし、眉毛もしっかりと整えられている。二重もくっきりだし、鼻も高い。
また煙草を吸いながら、その流し目がたまらなくクールじゃないか。

それなのに私ときたら。
化粧も何にもしてないし、手入れすら面倒で碌にやっていない。
なんだか向かいにいるのが恥ずかしくなってきた。こんな事ならファンデーションくらい塗ってくるべきだった。

「どうしたの?」

「い、いえ別に、何も」

どうやらまじまじと見ていたのを気付かれてしまったらしい。慌てて顔を背けた。

「俺の顔に見とれた?」

「みっ・・・見とれたっていうか・・・!」
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