現場系男子にご用心!?
「え・・・?」

それってタイに転勤って事・・・?

「で、でもそれと結婚と何の関係が・・・」

「それはあなたと少しでも長く一緒にいたいからじゃない?もし、この話が本当だとしたら、一緒にあなたもタイへ連れて行きたいんじゃないかと思うのよ」

私は持っていたパンを落としそうになる。

転勤?
岡田さんが海外に・・・?

その話が本当かどうかはわからないけれど、でももし本当だとしたら。


「あっちに行ったら最低でも3年は帰って来られないしね。彼も色々と焦っている部分があると思うの。・・・でもこれはあくまで「かもしれない」、の話だから。真相はちゃんと聞いた方がいいと思う」

なんとなく、腑に落ちる部分があった。
それなら焦ってしまう気持ちも。

なかなか会う事も出来ない、電話だって時差があるから早々に掛ける事も出来ない。
そして3年で帰って来れるかどうかもわからない。
その前に、ってもしかしたら考えてしまうのかもしれない。

じゃあ、どうして?
もしこれが本当の話だとしたら、なぜそれを私に言わない?

「・・・貴重な情報ありがとうございます」

「あまり、思い詰めない事よ」

秋元さんはまたお弁当を食べ始める。
私はもうとっくに食欲なんて抜け落ちてしまって、食べかけのパンを袋に戻した。

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