現場系男子にご用心!?

――――その時。

耳栓をしているはずなのに、甲高い異音が聞こえる。
それと共に持っていた部品が跳ねるように飛んで、ガン!と音を立てて地面に落ちた。


「おい!!真壁!!!大丈夫か!」

隣で同じ仕事をしていた先輩が、声を荒げた。


・・・何が起こっているのか分からない。


だけど。


「・・・・・いっ・・!」


痛い。
手が燃えるように、熱くて痛い。


私の右手からは、保護手袋が無残にも破れ、その間からボタボタと赤い液体が滴り落ちる。
その液体は止めどなく地面へと落ちていった。


悲鳴が聞こえる。怒号のような声も聞こえる。

でも私の記憶は、とても曖昧だった。
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