現場系男子にご用心！？

―――全治３週間。
それが私の診断だった。

かろうじて神経は切断されていないものの、肉が抉られるように削り取られ、手は動かせるだろうけれど少し皮膚が突っ張る感じが残り、動かし辛くなるかもしれない、との事だった。
右手は包帯でぐるぐるに巻かれ、少しでも動かすと痛みが襲う。

けれどその痛みも、決してしてはいけないミスをしてしまった、という後悔で気になどならなかった。

集中してやらなきゃいけなかったのに。
仕事とプライベートはちゃんと切り替えなきゃいけなかったのに。
私情の事で会社に心配も迷惑も掛けて、私、本当に何やってるんだろう。

ぼとぼとと、大粒の涙が零れる。
自分に対しての怒りが涙となって溢れていく。

「・・・大丈夫か？真壁」

待合室で座っていると会計を終えた課長が戻り、私の隣に座るとそう、声を掛けてくれた。

「すみ・・・ません、課長。みんなに、迷惑、かけて、私・・・」

声も絶え絶えに課長に謝る。

「そんな事気にするな。それよりもお前の手が思ったよりも軽傷で済んで良かった。過去には指を無くした人間もいるし、手が動かなくなった人間もいる。保護具をしっかりと付けていたお陰だな」

「でも・・・！でも、私・・・！」

俯いて泣く私を、課長は背中を優しく叩いて宥めてくれた。
けれどその優しさも、今の私にとってとても残酷だった。

私がちゃんとしていれば、こんな事にはならなかった。
私は社会人として失格だ・・・。