現場系男子にご用心!?
遠くから駆け足でこちらへと向かってくる足音が聞こえた。
そして、私の目の前でその足音は止まる。
ゆっくりと顔を上げると、そこには岡田さんの姿があった。
息を切らし額に汗がにじんでいて、急いでここに来た事が見ただけでもわかる。
だけど、まだ仕事中じゃ・・・。
「ど・・・どうして・・・」
突然の事で、何も言葉が出てこない。
「俺が連絡したんだ。そうしたらすぐ行くと言われてな」
「連絡ありがとうございます。里緒奈、大丈夫なのか?」
「命に関わるものじゃないから・・・。それよりも岡田さんこそ・・・」
戸惑う私をよそに、課長は安心したように息をふう、と吐くと席を立つ。
そして岡田さんの肩を叩いた。
「悪いな、岡田くん。いいのか?このまま真壁を任せて」
「問題ありません。今日は早退してきたので」
「そうか、じゃあ真壁を頼む。真壁、今週はゆっくり休め。会社も仕事も気にしなくていいから、しっかりと休むんだ。後の事は全部俺が処理しておくから」
「・・・・はい」
じゃあな、と言って課長はいなくなり、待合室は私達だけになった。