現場系男子にご用心！？
岡田さんは切なそうに笑った。
その笑みにギュッと胸が締め付けられる。

岡田さんの自分勝手な想い。
真実を隠したまま、結婚をしようとしていた。

本当は怒ってもいいはずなのに、何故か怒るどころかそこまで想っていてくれた事が凄く嬉しくて、そして岡田さんの本心を知る事が出来て、不思議と気持ちが穏やかになっていく。

「もっと早くに言ってくれたら、こんなに悩まなくても済んだのに・・・」

「・・・ごめん、それは謝る。だからこんな怪我をしてしまったんだよな。俺のせいだ」

「ううん、違う。この怪我はあくまでも私のせいなの。岡田さんはなにも悪くない。・・・それで、タイに行くのはいつなの？」

「来年の年明けくらい。来年にあっちから戻ってくる先輩と入れ替わりで行く予定になってる」

「・・・そう」

だから、年内中に結婚したかった。
・・・そう言う事か。

「・・・それでこんな時に言うのもなんだけど、結婚をしたい気持ちは変わらないし、タイに行くとなったら、一緒に付いて来て欲しいと思っている。答えはすぐに出ないのは分かってるけど」

「・・・うん」

「でもまだ何か月も先の事だから、ゆっくり考えて」

そう言うと岡田さんはまた煙草に火を付け、ベランダへと出て行った。


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