現場系男子にご用心!?
仕事も何日か安全対策の研修を行い、研磨の仕事に戻る事が出来た。
研磨機の甲高い音を聞きながら、やっぱり私はこの仕事が大好きだな、と改めて思う。


季節はもう夏。

工場の中は何をしなくても汗が噴き出すくらい暑くて。
うだる暑さの中で、私はひとつひとつの部品を研磨していく。
それでも、もう今年で当分ここには戻れないんだ、と思ったらそんな暑さなんか気になんてならなかった。


それから年末まで。

休みの日は、必ず2人でどこかに遊びに行って思い出を作って。
お互いの両親にも挨拶に行って、結婚の了承を貰って。
そして、ぎりぎりまでこの大好きな仕事を続けて。

送別会で課長が一目も憚らず声を上げて泣いたのはビックリしたけど。
それだけ私は愛されていたんだなぁ、と思い知らされて、私も課長と一緒に声を上げて泣いたのは、後にも先にもいい思い出。



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