妖警察・白黒〜大妖怪・羽衣狐編〜
チリン…


チリン…


鈴の音が聞こえる。周りは真っ暗で、何も見えない。静かな暗闇がただ目の前に広がっていた。


ー…いざ、目覚めよ…


ー…姫巫女の力…


"姫巫女"って、何…?力って……。




〔昨夜。堀田トンネルで変死体が発見されました。心臓をくり貫かれていたとのことです。これで変死体は今月に入って10件目。いずれも20代の女性です。警察は、現在も調査を続けています〕


「最近、こう言うニュース多いわねぇ」


「本当だねぇ」


お母さんと朝ごはんを食べながら、テレビを見ていた。今月から続くこの変死体のニュース。学校でもこの話題で持ちきり。早く犯人捕まってくれないかなぁ、と思う。


「珠洲、早く食べちゃいなさい」


「はぁい」


お母さんに促されて、私は食べる手を早めた。


「最近、物騒だから早めに帰るのよ」


「分かってるよ。行ってきまーす」


皆さん、初めまして。私の名前は秋宮珠洲。朧月高校に通う16才です。小さい頃にお父さんとお兄ちゃんを亡くし、今はお母さんと二人暮らし。


角を曲がると、青い屋根の家の前に女の人の姿が見えた。よく見ると、足が透けていた。


あれは、地縛霊……あの家に何かあるのかな。そう思い、私は女の人に話しかけた。


「あの、…何してるんですか?」
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