ドラマチックSボーイ
お偉いさんの怒が少々含まれた黒のオーラに対抗するがのごとく、
静くんは反省の色を全く見せずに満面の笑みで応える。
「申し訳ありません。久し振りにウチの事務所から出た大型新人だから
つい宣伝したくなって。」
「…っ!!!」
そう言って私の肩を抱き寄せる。
私を巻き込むな!
私は無実だ!
こんなの聞いてない!
心の中で必死に自分の未来を祈る。
大体、なんでこんなことになっちゃったのだろう。
まず…話があるって静くんから言われて、
なぜかその話す場所が静くんの仕事場じゃなきゃ駄目だと言われて無理やりついて行かされ、
なぜかスタジオでエセ女優に悪口を言われ、
なぜか静くんにうまく話を乗せられてこんな格好をさせられて、
なぜかテレビ出演をして、
なぜか、なぜか…
私が女優デビューをすることになってしまった。