ﾄﾞﾗﾏﾁｯｸＳﾎﾞｰｲ

なんか…うまくいき過ぎてない…？



それに


『トップ女優になるまで見守っててほしい』



静くんのあの発言。


まるで私が、テレビに映ることを分かっていたみたいに…




「そうだよ。」


「はっ?!」


気がつくと、隣にいたはずの静くんが目の前にいて、

さっきまでしかめっ面をしていたお偉いさんは、
スタジオの奥で他のスタッフと打ち合わせをしている。


…にこやかに。



な、なにが起きたんだあ…??



「舞、全部声に出してたからまる聞こえ。」


「えっ!あ、ごめん?」


って何を謝ってるんだ。



「安心しろ、放送が終わったら舞の疑問に全部答えてやる。」


静くんが優しく頬笑んで、私を落ちつけようとする。


本当ならこんな有り得ない状況で落ち着けるはずないのに、

不覚にも、静くんの笑顔で私の心が驚くほど冷静になった。