ドラマチックSボーイ
「彼女の演技は会場にいた全員を引き付け、大きな拍手に包まれたんです。
彼女は演じることの素晴らしさを改めて知りながらも、
数々のチャンスを逃してきました。
だから今度こそ、
私たちが彼女の夢を叶えてあげようと思ったんです。」
真っ直ぐな瞳で訴える静くん。
なぜ、あの時の私の気持ちまでわかったのだろう。
見ている人の笑顔、そして鳴りやまない拍手。
もう1度この夢を実現にさせたかった当時の自分。
でも、それを拒んだ自分。
『オーディション受けてみない?』
『いえ…興味ないんで…』
たくさんのチャンスに、
私は全て逃げて来た。
もし女優になったら、
自分が嘘つきになるんじゃないかって…