ドラマチックSボーイ




『やっぱりな』


そう言って静くんは微笑んだ。




「でも…自分が女優になったら、
もしかして自分も嘘つきになっちゃうじゃないかって思って逃げてたんだろ?」


静くんが言ったことが恐ろしい程当たっていたことに、
私は目を丸くする。


その反応を見て、静くんは一度笑った後、
真剣な顔になって真っ直ぐ私を見つめた。


「…気づいてるかもしれないけど、
俺だって本当の自分を隠してる。

でも舞は嫌いじゃないって言った。
それは、蓮見静と滝沢静が別人だからだ。」



蓮見静と、滝沢静が別人…?


「体は同じだけど、中には全く性格も雰囲気も違う2人がいるんだ。」

「よく…わからない。」

「要するに、嘘をついていないかのように自分を使い分けてるってことだ。

だから舞にもそんな女優になって欲しい。

本当の舞の才能をそのまま、
もう1人の舞が…、女優の舞が生かすんだ。」





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