ドラマチックSボーイ




今の私は完全に、上原マイだ。


気が強くて、頑固で、負けず嫌いな…



「…むかつくんです!
昨日のせいで、
上原マイのデビューには必ず後ろに蓮見静がついていて、
注目されるのは有難いですけど、私の実力を見てから注目されたかった…!」



自分でもわけのわからないことを言ってしまった。


ママがこれでもかというくらい口と目を見開きポカーンとしている。


そして、静くんは…


「なっ、なに笑ってるんですかっ?!」


私に背中を向け、こぶしを口に当てて肩を震わせていた。


その態度が余計にマイの私を苛立たせる。


「いや…マイの発言は矛盾だらけだなーと思って。」

「…!!」


図星をつく静くんの一言に、私は言い返す言葉がみつからない。


あの時、

静くんがフリップを取り上げなければ、

『この子がデビューします』と報告しなければ、


今の私は居ない。




…でもむかつくんだもん!!!





< 134 / 257 >

この作品をシェア

pagetop