ドラマチックSボーイ
今の私は完全に、上原マイだ。
気が強くて、頑固で、負けず嫌いな…
「…むかつくんです!
昨日のせいで、
上原マイのデビューには必ず後ろに蓮見静がついていて、
注目されるのは有難いですけど、私の実力を見てから注目されたかった…!」
自分でもわけのわからないことを言ってしまった。
ママがこれでもかというくらい口と目を見開きポカーンとしている。
そして、静くんは…
「なっ、なに笑ってるんですかっ?!」
私に背中を向け、こぶしを口に当てて肩を震わせていた。
その態度が余計にマイの私を苛立たせる。
「いや…マイの発言は矛盾だらけだなーと思って。」
「…!!」
図星をつく静くんの一言に、私は言い返す言葉がみつからない。
あの時、
静くんがフリップを取り上げなければ、
『この子がデビューします』と報告しなければ、
今の私は居ない。
…でもむかつくんだもん!!!