ドラマチックSボーイ
静くんは、何がしたいんだろう。
まのかちゃんの前で『わざと』私に優しくしてる…。
私の気持ちがわかったのか、
静くんは一瞬眉をしかめた後満面の笑みで私の腰を支えてきた。
その目は完全に怒ってる…ハズ。
「静くん…その子…。」
まのかちゃんが低い声で静くんに問う。
「如月さん今日のワイドショーとか観なかった?
今度デビューするウチの事務所の新人。
上原マイって言って如月さんとは小学生の頃お友達だったって聞いたんだけど…」
静くんも低い声で淡々と答えた。
まのかちゃんは少し戸惑った顔をしてからスグ笑顔になりこう言った。
「…あ、え?!あれ舞ちゃんだったの?!
そうなんだー!これから仕事一緒になることあるかもしれないから、
そん時はヨロシクね!」
明らかに『今気づいた』と見せかけるように演技をしたまのかちゃんは、
足早にロビーを去った。