ドラマチックSボーイ
意味深な言葉を吐き捨てた静くんはまた歩き出す。
「アイツのことを鈴から訊いとけ。
あと、絶対に関わるな。」
こちらに振り向きもせず話す静くんは面倒そうにそう言った。
「なっ、なんで?!友達じゃん!!」
『会いたくなかった友達』というのは矛盾しているけど、
これから嫌でも仕事は一緒になるはず。
…横暴すぎるよ!
私が言ったことに反応したのか、
静くんが立ち止まりやっとこちらに振り返る。
「…勝手にしろ。
新人のお前にはこういう『現実』のひとつやふたつは知っておいた方がいいな。」
はぁ…っ?!
先に進む静くんに着いていく気もなくなった私はその場に立ちつくして
眉間にこれでもかとシワを寄せた。