ドラマチックSボーイ



方向オンチのママとその遺伝を受け継いだ私は
手のひらサイズの地図と格闘しながらやっと着いたお店に




目を丸くした。


変なアルファベットがつながってて(多分イタリア語)
なんというお店かわからない。



本当にここなのだろうか…。



一方隣にいたママは「さ、入りましょ。」
と言ってスタスタと店の中に入っていった。


な、なんでそんなに余裕なの?!



年に一度…いや一生に一度あるかないかくらい、
私たち庶民には程遠い所なのに。




入口の前に立っていたボーイさんみたいな人に
「上原です」とママが話しかけると

「いらっしゃいませ」と言ってドアを開けてエスコートしてくれた。



どうやらお店は合ってるみたい…









そして…
中に入るとそこはまさにドラマの世界。


白を基調として壁には見るからに高そうな絵画。


席に行くまでの間、私は開いた目と口が塞がらなかった。


大きな丸テーブルに背もたれが長いイス。
テーブルの上にはグラス。


そこにワインを入れたら「君の瞳に、カンパイ☆」
とか出来そう…。


とおかしな貧乏妄想を繰り広げていると、


「お待たせ」












< 22 / 257 >

この作品をシェア

pagetop