ドラマチックSボーイ
方向オンチのママとその遺伝を受け継いだ私は
手のひらサイズの地図と格闘しながらやっと着いたお店に
目を丸くした。
変なアルファベットがつながってて(多分イタリア語)
なんというお店かわからない。
本当にここなのだろうか…。
一方隣にいたママは「さ、入りましょ。」
と言ってスタスタと店の中に入っていった。
な、なんでそんなに余裕なの?!
年に一度…いや一生に一度あるかないかくらい、
私たち庶民には程遠い所なのに。
入口の前に立っていたボーイさんみたいな人に
「上原です」とママが話しかけると
「いらっしゃいませ」と言ってドアを開けてエスコートしてくれた。
どうやらお店は合ってるみたい…
そして…
中に入るとそこはまさにドラマの世界。
白を基調として壁には見るからに高そうな絵画。
席に行くまでの間、私は開いた目と口が塞がらなかった。
大きな丸テーブルに背もたれが長いイス。
テーブルの上にはグラス。
そこにワインを入れたら「君の瞳に、カンパイ☆」
とか出来そう…。
とおかしな貧乏妄想を繰り広げていると、
「お待たせ」