ドラマチックSボーイ
十数分前に電話した静くんに腕を引かれて中へ入ってきたまのかちゃん。
どんな表情をしてるのかさえ確認できないほどうつむいている。
私は静くんに「ありがとう」と目で伝えると、
静くんはまのかちゃんの腕をそっと解放した。
「アンタ…っ、専務に何をしたんだ…っ!!」
間を置かずに、重役さんの一人がいきなり彼女へと憤りを浴びせた。
「…ナニって…カラダを差し出したわ。」
まのかちゃんはフッと力の無い笑みを浮かべて顔を上げた。
彼女の発言に室内にざわめきが起こる。
顔を紅くして怒りを増幅させる社員
噂が事実だとわかり、怒りと驚きの混ざった複雑な顔をする鈴さん
私も…分かっていたことなのに彼女の口から出た言葉にショックを受けた。