ドラマチックSボーイ
1*守れなかった
彼の部屋はいたって普通だった。
統一感があって、横に長い本棚には
隅から隅まで出演したドラマ・映画・舞台の台本。
こんなに…こんなに出演してたの…?
私は静クンがデビューしてから今まで
テレビの中での出演作はすべて観たつもり。
でも台本の中には全く知らないドラマもたくさんあった。
「その本棚がいっぱいになったら、舞に会いに行く。」
―――――!!
「び、っくりしたあー…。」
「ごめん。オレンジでよかった?」
振り向くとオレンジジュースの入ったグラスを持って
静クンが壁に寄り掛かっていた。