ドラマチックSボーイ
「忘れていれば良かったな…。」
幼い子どもが交わした
叶うはずのない約束
周りからしてみれば微笑ましい光景だったと思うけど
あの時の私たちは
『また逢える』未来を信じて
かたく小指を交わしていた。
その分私が約束を破ってしまったショックは強く、
それは今でも続いていた。
忘れていればこんな思いしなかったのに―…
「舞。」
顔を上げると、静くんの顔。
いつも見ている画面の中の二次元の彼じゃない。
「え…?」
その顔が徐々に近づいて私は陰になる。
「…ん?!」
唇に生温かい何かが触れた。