ドラマチックSボーイ
1*複雑コイゴコロ
「登校しながらでもいい。
舞に話したいことがあるんだ。」
透き通った彼の瞳に私が映る。
今の状況の理解をしながら私はいつも通り
朝ごはんを食べ、
歯を磨き、
身支度をした。
…違うと言えば、玄関前で静くんが待っていることと
それを待たせちゃいけないとママが怒鳴り続けたこと。
「……。」
しかしその説教が全く耳に入っていなかったのは言うまでもない。
――話は昨日もした。
シズカちゃんの真実。
静くんが芸能人なワケ。
何度頭に衝撃と疑問を与えたかわからない。
しかし一夜明けた今日も、新たな事実が彼の口から飛び出した。
「舞、すごい顔してる。」
隣で愛おしそうに微笑む彼の声に
私はようやく現実へと生還した。
「そ、そお?」
「ま、困ってる舞の顔も可愛いけどね。
いじめたくなる。」
………!?!?!?
なんか今すごいこと言いませんでした?