ドラマチックSボーイ
「………。」
「………。」
せっかく昔の幼馴染と再会できたのに。
一緒に遊んでいたあの時みたいに、
昔話に花を咲かせながら、これから楽しく登校したかった。
私の隣には何も話しかけてくれない静くん。
その横顔は昨日たくさん向けてくれた笑顔とは真逆で、
眼尻が上を向き、遠くを見つめ、薄い唇も固く閉ざしている。
でもそんな冷酷な顔もやっぱり綺麗で、
しばらく見とれてしまっていた。
そういえば…朝からさっきまでの口調も
昨日とは大違い。
なんか、意地悪な感じ。
もしかしたら……
「ねえ、静、くん?」
「なに。」
私の方を向かずに口先だけで応える。
やっぱり…
「静くんって…
二重人格でしょ?」