ドラマチックSボーイ



「確かに昨日の俺は俺じゃなかったな。
後半少し素を出したけど。」


後半?


「あっ…!」


あの、キスされた時?

約束を守れなかった罪悪感でいっぱいだった私に
彼は更に追い打ちをかけるがのごとく、

『誰が許すって言った?』

なんて言葉を向けたりして、

私が泣くと

『ごめん。ついイジメたくなって』

という今考えれば耳を疑うようなことを言われたんだった。


彼の優しさにすっかり浸っていた私は、
彼に変化があったことなんて忘れていた。



「だから言ったじゃん。鈍感だって。」

「なっ!?そんなことないよ!!
静くんが昨日と今日だけでたくさんビックリさせるようなことするから!」


12年前のシズカちゃんのイメージが私には静くんと再会するまで強く焼き付いていた。


「ビックリさせるようなことって?」

「え?」


なぜか至近距離にある彼の顔。
その顔は…『ついイジメたくなった』と言わんばかり。



これは…ヤバいかな…。



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