ドラマチックSボーイ
「ここっ、外だよ…」
「じゃあ学校ならいいの?」
「…!!ちがっ!」
なに考えてんの静くん?!
ただでさえ今学校はあの蓮見静が来るって大騒ぎなんだから…
昨日、食事を終えた後、静くんママは学校へ挨拶しに言ったらしい。
その会話をたまたま部活中の生徒が聞いてしまい、
風のように人から人へと伝わり…
『もしもし舞?!聞いて!!
蓮見静がウチの学校に転校してくるって!!』
日付が変わる前に加奈子から私に伝えられたのだ。
そしてさっきから隅々まで見てもウチの生徒が歩いていない。
みんな蓮見静の登校姿を一目でも見たくて
多分窓から身を乗り出して待っているのだろう。
だから…
「そ、それに一緒に登校もしないほうがいいんだよ!」
「………。」
あれ? 怒らせちゃった…?
おそるおそる見上げてみればさっきまでの意地悪い顔ではなく、
本当に怒っている顔だった。
その瞬間「どうしよう!」とか思ったけれど
なんとか勇気を振り絞って言葉を続けた。