ドラマチックSボーイ




「ここっ、外だよ…」

「じゃあ学校ならいいの?」

「…!!ちがっ!」


なに考えてんの静くん?!

ただでさえ今学校はあの蓮見静が来るって大騒ぎなんだから…


昨日、食事を終えた後、静くんママは学校へ挨拶しに言ったらしい。

その会話をたまたま部活中の生徒が聞いてしまい、
風のように人から人へと伝わり…


『もしもし舞?!聞いて!!
蓮見静がウチの学校に転校してくるって!!』

日付が変わる前に加奈子から私に伝えられたのだ。



そしてさっきから隅々まで見てもウチの生徒が歩いていない。

みんな蓮見静の登校姿を一目でも見たくて
多分窓から身を乗り出して待っているのだろう。


だから…


「そ、それに一緒に登校もしないほうがいいんだよ!」


「………。」



あれ? 怒らせちゃった…?


おそるおそる見上げてみればさっきまでの意地悪い顔ではなく、
本当に怒っている顔だった。


その瞬間「どうしよう!」とか思ったけれど

なんとか勇気を振り絞って言葉を続けた。





< 55 / 257 >

この作品をシェア

pagetop