ドラマチックSボーイ
12年前、向井くんは静くんとよく遊んでいた友達の1人。
サッカーとか、私もたまに混ぜてもらった記憶がある。
「俺のこと思い出してくれたってことは、
なんで呼び出されたかわかるよね?」
「あ、うん。静くんのことだよね?
向井くんは静くんと今日再会したの?」
『智樹でいーよ』そう付け加えて彼は答える。
「再会どころか…アイツが長い休みとか貰った日は
ほとんど俺と逢ってるよ。
もちろん転校の話は前から聞いてる。」
へえー…離ればなれになってもよく逢っていたんだ…。
私は関心したようにうなずく。
あの蓮見静を『アイツ』と呼べるくらい仲良しだということを知った。
「でさ、アイツから言われたんだけど
やっぱり舞ちゃんとのことは秘密にしてほしいんだって。
いくら昔の友人だからといって変な噂でも立ったら、
舞ちゃんが困るってアイツ言ってた。」
え……静くんが、じゃなくて私が?
「大切にされてんだな。
俺なんか『ただの宣伝人だ』ってさ!
ひでーよな!」
「…当たり前だろ。」