ドラマチックSボーイ



突然声のした方を振り向くと、

今朝より倍以上の覇気がなくなった静くんが歩いてきた。



「静…オマエすげー顔。
とても人気俳優とは思えない。」


口に手をあて、笑いをこらえながら向井くんは言った。


そこに





ドコッ!!


「ってえ!!!!」


向井くんのお尻に静くんの右足がクリーンヒット。



「俺の綺麗な顔を台無しにしたのは誰だよ。
舞との話つけたらすぐ戻ってくるっていったろ。」


「無駄な話なんてしてねーよ!
責めるなら自分の綺麗な顔とやらを責めろよ!」



………。



目の前に広がる2人の痴話げんか。

今朝のような意地悪な静くんとはまた違う、
1番素に近い静くんがいた。





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