ドラマチックSボーイ
ところが。
――――
逃げるの?
無理だね。
誘拐する。
――――
数秒後に返ってきたメールは脅迫そのものだった。
最後の1行おかしい!!
しかも逃げてなんかない!
それに…
静くんに言ったよね?
私は芸能界が嫌いだ、って。
でも『誘拐する』とまで書かれたんだ。
最初から私に拒否権はない。
「なんなんだよもー…。」
私は携帯電話を握りしめたまま机に突っ伏した。
「え、ちょ舞、大丈夫?」
加奈子がビックリして声をかけた。