ドラマチックSボーイ
自分に訊くより静くんに訊きたいことがいっぱいあるんだ!
「ねえ、なんで今日私までついていかなくちゃ…」
「ほら、さっさと乗れ。時間ないんだ」
私の質問を遮って静くんは家の前に止まっている黒い車を指さす。
そしてその瞬間、運転席から長身の男性が現れた。
う、わあ…めちゃくちゃカッコイイ!!
スポーツ刈りの黒髪にノンフレームのメガネ、
切れ長の目が印象的で、
スーツがとてもキマっている。
静くんには及ばないけれど、
彼の方が好きという女の子は多いはず。
「マネージャーの楠(クスノキ)、詳しい自己紹介は車の中で、だろ?」
「さすが6年の付き合いだな。
舞ちゃん…だよね?急いでいるので、車に乗って下さい。」
「あ、はい…。」
楠さんに急かされ、私は否応なしに車に乗せられてしまった。