ドラマチックSボーイ





しばらく進んでから、

楠さんが口を開いた。


「改めまして、静のマネージャーやってます。
楠賢一(クスノキケンイチ)、今年28のオッサンでーす。」


「オッサンだなんて!
とても若いし、一瞬芸能人かと思いました!」


楠さんは本当にもったいない顔をしてる。

私は思わず素直な気持ちを口にしてしまった。



「本当ですか?初めてだなーそんな嬉しいこと言われたの。
静、舞ちゃん貰っていい?」


「馬鹿か賢一。お前がマネージャーになりたての頃
仕事場現れる度にたくさんスカウトされてたろーが。

それに舞は俺のだ。」


「おーこわっ、妬くなって。」


バックミラー越しに楠さんが微笑んでいるのがわかった。



そんなことより『俺のだ』って…

やっぱりあの時の告白は本気だったんだ…。




< 71 / 257 >

この作品をシェア

pagetop