ドラマチックSボーイ
「はい座って!!時間ないから!」
部屋の中はメイクと衣装室みたいな所だった。
私を中へと引きずりこんだ人に促され、
私は大きな鏡の前にあったチェアに座る。
そしてその人は私の後ろへと回り込み、
鏡越しに目を合わせた。
よく見ると…すごく可愛い大学生くらいの女性。
「初めまして、あたし神楽真琴(カグラマコト)
今年で28才独身!静の専属ヘアメイクをやってるの。」
え?!…とても28才には見えない。
信じられない!そんな顔をした私に気づいたのか、
真琴さんはニッコリと微笑む。
「あたし童顔なんだよね。
メイクしても全然良くならないの。
でも舞ちゃんはそのままでも本当に可愛いから、
あたしの手でもっと可愛くなるんだって思ったら
やる気出てきた!!」
『綺麗になって静を驚かせてやろ!』
そう言って真琴さんはウインクをひとつして、
私のメイクに取り掛かった。