ドラマチックSボーイ






スタジオの中に入ると、まだ本番中で
お客さんの笑い声が飛び交っていた。



邪魔にならないようにスタジオの様子をのぞくと、

レギュラーだと思われるタレントさん達と
ゲストとして出演している静くん、

そしてさっき私に嫌味を言った『桜さん』という女優もいた。



言われた通りにスタジオにきたけど、
理由が聞けるのは本番が終わってからだよね。


そう思い、私はスタジオを出ようとする。



すると、



「あ、ねえそこの君!」

「はっ?」

突然腕を掴まれ振り返ると、
スタッフジャンパーを着ている男性が
私を見て『ちょうど良かった!』と言う。



「君、新人アイドル?
実はフリップを見せるアシスタントの子が
どっかに行っちゃって行方が分からないんだ。

このままだと間に合わないから、
君可愛いしやってくれないかな?

すぐ終わるから!頼む!!」



な、な、なあーーーーっ?!





< 92 / 257 >

この作品をシェア

pagetop