ドラマチックSボーイ
スタジオの中に入ると、まだ本番中で
お客さんの笑い声が飛び交っていた。
邪魔にならないようにスタジオの様子をのぞくと、
レギュラーだと思われるタレントさん達と
ゲストとして出演している静くん、
そしてさっき私に嫌味を言った『桜さん』という女優もいた。
言われた通りにスタジオにきたけど、
理由が聞けるのは本番が終わってからだよね。
そう思い、私はスタジオを出ようとする。
すると、
「あ、ねえそこの君!」
「はっ?」
突然腕を掴まれ振り返ると、
スタッフジャンパーを着ている男性が
私を見て『ちょうど良かった!』と言う。
「君、新人アイドル?
実はフリップを見せるアシスタントの子が
どっかに行っちゃって行方が分からないんだ。
このままだと間に合わないから、
君可愛いしやってくれないかな?
すぐ終わるから!頼む!!」
な、な、なあーーーーっ?!