平凡な毎日に恋という名の調味料(スパイス)を
「希に絶対却下されるぞ。新幹線シリーズ」
ですよねぇ。チャーハンの乗る大皿をテーブルに置いた晃さんに激しく同意する。
中華もイケるんですね。パラパラのご飯と香ばしい醤油の匂いに、胃が活動を再開する。
わたしの心を読んだかのように、小皿に取り分けて置いてくれた。
「なんでだ? 移動中に閃いて、これは使えると思ったんだけど。男でも女でもOKだし」
大きなスプーンでみるみるうちにチャーハンの山を崩していく一樹さんは、納得いかないようだ。
いや、名前自体は可愛いと思いますよ。でもね、あまりにも安直すぎると言いますか。
はぁ、と小さく出したつもりのため息が晃さんと重なり、ふたりで目を合わせ笑みを交わした。
「なんだ、やっぱりそうだったんだ。希が心配することなかったじゃんか」
一樹さんがニヤニヤと片肘をついてわたしたちを眺める。
「ムッツリ変態晃くんが、可愛い礼子ちゃんに悪さするかもしれないから様子を見に行けって。お義父さんたちは内孫がみれる日も近いって、諸手を挙げて喜んでいたけどね」
「誰が変態だ」
「おや、ムッツリはお認めで?」
「放り出すぞ。この気温なら凍死はしないだろう」
「いいもん。礼子ちゃんちに泊めてもらうから」
「冗談じゃない。ダンボ-ル箱に詰めて、近所の公園に捨ててきてやる」
「へっ!?」
気心の知れた旧友との応酬が、またわたしの知らなかった晃さんをみせてくれる。なんてぼぅっとしていたら、グイッと二の腕を引かれて抱き寄せられる。
ですよねぇ。チャーハンの乗る大皿をテーブルに置いた晃さんに激しく同意する。
中華もイケるんですね。パラパラのご飯と香ばしい醤油の匂いに、胃が活動を再開する。
わたしの心を読んだかのように、小皿に取り分けて置いてくれた。
「なんでだ? 移動中に閃いて、これは使えると思ったんだけど。男でも女でもOKだし」
大きなスプーンでみるみるうちにチャーハンの山を崩していく一樹さんは、納得いかないようだ。
いや、名前自体は可愛いと思いますよ。でもね、あまりにも安直すぎると言いますか。
はぁ、と小さく出したつもりのため息が晃さんと重なり、ふたりで目を合わせ笑みを交わした。
「なんだ、やっぱりそうだったんだ。希が心配することなかったじゃんか」
一樹さんがニヤニヤと片肘をついてわたしたちを眺める。
「ムッツリ変態晃くんが、可愛い礼子ちゃんに悪さするかもしれないから様子を見に行けって。お義父さんたちは内孫がみれる日も近いって、諸手を挙げて喜んでいたけどね」
「誰が変態だ」
「おや、ムッツリはお認めで?」
「放り出すぞ。この気温なら凍死はしないだろう」
「いいもん。礼子ちゃんちに泊めてもらうから」
「冗談じゃない。ダンボ-ル箱に詰めて、近所の公園に捨ててきてやる」
「へっ!?」
気心の知れた旧友との応酬が、またわたしの知らなかった晃さんをみせてくれる。なんてぼぅっとしていたら、グイッと二の腕を引かれて抱き寄せられる。