君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
どうせ、いまあたしが着ている服も、あちこちに絵の具の染みがついた中学の時の指定ジャージだし。
もう開き直ってしまった。怖いものなんてない。
「これ、見舞い」
「ありがとう。気を遣わせてごめんね」
凱斗が差し出してくれた白いポリ袋を受け取って、中を覗きこんだら……。
「カリカリ小梅と、柿ピーと、味付き茎ワカメだ」
「…………」
「お前、これすっげえ大好物なんだって? 藤森に教えてもらった。シブイ趣味してんだな」
……亜里沙ぁーーーーー!
顔から火が出る思いで、あたしは袋を握りしめた。
血の巡りが回り過ぎて、今にもプツンといきそうだ。
「あのさ……ごめんな」
突然、凱斗が謝った。あたしは袋から顔をあげて、萎れた様子の凱斗を見つめる。
「藤森から聞いたんだ。さんざん中尾にひどいこと言われて、お前が傷ついたって」
「あ……」
「藤森にメタクソ怒鳴られた。俺のせいだって」
「そんな。凱斗のせいじゃないよ」
「いいや。俺のせいだ」