君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨

 うちの学校に伝わっている、知らない人はいないほど有名な伝説。

 その伝説にすがったら、願いは叶うかな?

 先輩はあたしを受け入れてくれるかな?

 きっと受け入れてくれるって信じたい。

 ……ううん。信じるんだ。

 だって、あたしにはそれしかないんだもん。

 凱斗先輩が好き。

 凱斗先輩が好き。

 凱斗先輩が好き。

 この心からの想いが、どうか届きますように。

 神様、お願い。どうか凱斗先輩と、あたしの思いが通じ合いますように。


 今度、下校時に雨が降ったら、先輩に告白するって決めた。

 不安で不安で、息が止まりそうに不安で怖くてしかたないけど、頑張ってみよう。

 あたしが生きていくための、ありったけの力と勇気をぜんぶぜんぶ、ここで使ってみよう。

 そしたらきっと大丈夫。

 あたしの気持ちは、届くはずだと信じよう。

 信じる思いは伝わるんだって……信じよう。

 
 だからどうか、雨よ、降って。

 そしてあたしと凱斗先輩を包んで。

 あたしと凱斗先輩の相合傘の上に、優しい希望の雨よ、降って。

 そしたら、あたし本当にもう、他にはなにひとついらない。

 なにも望まないから。

 どうか、どうか、どうか、どうか……。


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