君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨

「うわああぁぁーーー！！」

　ほとばしる声と、涙。

　身を捩るようにして叫んで、必死に求める答え。

『なぜ、かけがえのないあの人は、自分を置いて逝ったのか』

　その問いに答えるべき人は、もう、いない。

　だから救いは、だれにも与えてもらえない。

　これからずっと、親友の死は自分のせいだと責め続けて、置き去りにされてしまった喪失感に嘆き悲しむほかない。

　永遠に手放されてしまった、空虚な自分の手のひらを見つめながら。

「小花ーーーーー！」

　川へ向かって、身を折るように、もういない人の名を泣き叫ぶ。

「小花！　小花！　小花ぁーーー！」

　喉を裂くような悲しい声は、虚しく川の流れに消えていく。

　街灯が黒い水面を照らし、まるで鏡のように光らせても、そこにはなにも映さない。

　低い水音に飲まれるように、彼女が求める声も飲み込まれ、その水音すら慌ただしく行き交う車の音にかき消された。