君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
友だち、だから

 入江さんの日記を読んだ日から、もう三日。

 あたしと凱斗はあれからお互いに、表面上は何事もなかったように振る舞っていた。


 もちろん、まだ心の整理なんてぜんぜんついてない。

 たった三日で凱斗への想いが消滅するはずもないし、この恋が叶わない悲しさが癒えるはずもない。

 でも、どうしようもないんだってことだけは、理解しているから。

 とにかく友だち同士としての自然な関係だけは、なんとか続けていきたいんだ。

 顔を合わせたら普通に挨拶して、おすすめミステリー小説の感想とか、話題のネコ動画の話とかして、一生懸命に頑張って自然にふるまっている。

 ……一生懸命頑張ってる時点で、すでに自然な会話から逸脱しているような気もするけど。
 

 今日は登校して朝いちばんに、教室前の廊下の隅っこに亜里沙を引っ張り出して、事情をぜんぶ説明した。

 亜里沙にも、あたしたちが出した答えを知っていてもらいたかったから。

 だってずいぶん心配をかけてしまったもの。
 

「バッッッカじゃないの!?」

 開口一番、亜里沙にズバッと言い捨てられたあたしは、返す言葉もなかった。

 あたしの隣では凱斗が、亜里沙のキツイ口調にやれやれって顔して小さく首を振っている。

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