君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
遠ざかる背中
あの日を思い出すたび、胸がキュウッと苦しくなって、でも顔が勝手にニヤけちゃうのが止まらない。
あの日からあたしは、どれほど雨が降るのを待ち望んだことか。
毎朝、目が覚めて真っ先に確認するのは天気予報。
テレビの降水確率を見て一喜一憂して、確率が高ければ高いほど、明るい希望に胸が膨らんだ。
どんなにお母さんに文句を言われたって、絶対絶対、ぜーったい、傘は持たずに登校し続けた。
そうして気合い満タン、準備バッチリで待機していたんだけれど……。
今度はなかなか、かんじんの雨が降らなくて……。
雨って降って欲しくないときは遠慮なく降るくせに、待ち望んでいるときは降ってくれないんだ。
バスの到着時刻もそうだよね。
早めにバス停で待ってる時はなかなか来ないくせに、なぜかこっちが遅れた時に限って、あと一歩のところで、無情にも置き去りにされてしまう。
つまりすべては、タイミングなんだ。