君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
だけど自分と他人は文字通り『世界が違う』から、すれ違うし、誤解もするし、ぜんぜん望み通りにならないし。
思いもよらない結末に直面して、『そんなつもりじゃなかったのに』と慄いて、傷つけられて誰かを責めて、誰かを傷つけ、自分を責める。
そんな連鎖に耐えきれなくなって、いつしか一番大事なものを諦める。
……大切なことを相手に伝えるって、想像以上に困難だから諦めた方が楽だもんね。
でも、だめなんだ。
それじゃだめなんだ。
だって、繋がることを諦めなければ世界は変わるし、救われるから。
大丈夫。ほんの些細な繋がりでいいんだ。
間宮君の、亜里沙への恋。
あたしが亜里沙へ送ったバースデーカード。
あたしのスカートの中にある、メモ用紙に書かれた短い文章。
そして柿ピーと茎ワカメが好きだと伝え合い、見つめ合うこと。
そんなものでいい。
ただそれだけでいいの。
それだけで世界は関わり合って、変わっていく。
そして、いつか思うんだ。
『あなたがこの世界に生まれてきてくれて、出会ってくれて、よかった』って。