君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
……あたし、勘違いしてた? やっぱりあれ、聞き間違いだったの?
あの時、あんなにも幸せだったから、逆に今が辛くてたまらない。
自分が恥ずかしくて、情けなくて、みじめとさえ思う。
両目がジンと潤んで、鼻の奥がツーンと痛んで、目の前がどんどん霞んでいく。
やばい。このままここに立っていたら、誰かに見られるかも。学校で泣いてるとこなんて見られたくない。
でも涙は勝手に盛りあがってきて、あたしは急いで玄関から外へ飛び出した。
突き刺さるように雨が全身を叩く中、俯きながら黙々と早足で校門へ向かう。
雨の勢いが強いから、下を向いて顔を隠してても不自然じゃない。
頬が濡れてても、きっと変に思われない。
だからあたしは少しだけ安心して、家に向かうことができた。