君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
ひとりぼっちの涙
そして迎えた翌日。
天気予報は降水確率40%の微妙さだったけれど、あたしは迷わず傘を持って家を出た。
お母さんとは昨日からずっと冷戦状態だったけど、あたしが傘を持ってるのを見て機嫌が回復したらしい。
『いってらっしゃい』って声が、優越感に満ちていたから。
……ムカつくー。娘相手になに勝ち誇ってんの?
そんなんじゃないのに。
学校に着いて靴を履き替え、朝の雑多な雰囲気の溢れる階段を上って行く。
「おっはよー」
「ねー、ワーク写させて」
「あ、提出プリントにハンコ押してもらうの忘れてた!」
濃紺の制服がひしめき合う階段のあちこちから、いつもと代わり映えのない会話がワイワイ聞こえてくる。