君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨

 首を横に振るあたしを見て、顔を強張らせていた亜里沙が安心したようにホーッと息を吐いた。

 事情を説明しようと口を開いた途端、間が悪く清掃終了の放送が鳴り始める。

 亜里沙は舌打ちして、ミケくんに向かって両手をパンッと鳴らして合掌した。

「ミケくん、成仏して。……さあ行こう、奏」

「え? でもこれ、このまま?」

「ここで見つかったら面倒なことになるから、行こう」

 確かに先生に見つかったら問い詰められる。

 それで首謀者の名前を言わされたりしたら、あのグループから逆恨み決定だ。どんな仕返しされるかわからない。

「だから凱斗も隠れたんだもんね……」

「凱斗? 凱斗もここにいたの?」

「…………」

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