君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
その文章は両目を通り抜けて、あたしの心の中に刃物のように突き刺さった。
心臓がドクンと嫌な音をたてて、思わずつぶやいてしまう。
「なに、これ……」
「奏? どうしたの?」
メモ用紙を持ったまま硬直しているあたしに、亜里沙が不思議そうに話しかけてくる。
「なにこれ……なにこれ……」
「ちょっと、それあたしにも見せて」
なにこれ、しか言葉が出ないあたしの手から、もどかしそうに亜里沙が用紙を奪い取って読んだ。
「なにこれーー!?」
そして大声を上げて、すごい勢いで周囲を見回す。
「誰!? こんなイタズラしたのは!」
我が校の誇る美少女が鼻息を荒くして叫ぶ姿を、周りの生徒たちは驚いた表情で見つめている。
みんな遠巻きにこっちを眺めるばかりで、ただ不思議そうにキョトンとしていた。
あたしは、亜里沙の手の中でグシャグシャに握りつぶされたメモ用紙に視線を移した。