君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
入江小花。自殺した一年生の女子。
彼女が、あたしのせいで自殺したって?
そんなのハッキリ言いがかりだ。
だってあたしは、入江小花さんとは一度も会ったことないのに。
全然知らない、顔すら知らない人があたしのせいで自殺するなんて、あり得ない。
だからこそ、このメモ用紙からは明確な悪意が感じられた。
あたしにはまったく関係ないことを、あたしのせいだと責めるのは、あたしに敵意があることの証明だ。
……誰が?
自殺した可哀そうな女の子の存在を利用してまで、あたしを傷つけようとするなんて。
そこまであたしを嫌ってる人がいるってこと?
あたし、そんなに誰かに嫌われていたの? そんな、まさか。
これまで思ってもみなかったその衝撃的な事実が、突くように胸を刺す。
否定したかったけれど、目の裏側に焼き付いている少し丸みを帯びた文字が、これは事実だと告げていた。